未明の砦139 より

 「あたし病院の手摺り拭きながら、ブルーインパルス見たんだよね」
 そういえば、と山崎は思い出した。医療従事者に空から経緯と感謝の気持ちを示すという目的で、都心上空をブルーインパルスが飛んだことがあった。
「かっこよかったかい? ブルーインパルス
「うん、あんなのが未来から攻撃しに来てくれたらいいのになあって思った。今ある世界なんて早く滅びてしまえばいいのにって」
  瞬きをやめて虚空を見つめる南美の目には、無残に滅びた巨大な都市が見えているかのようだった。ピアスをした小さな耳には、瓦礫と化した街を吹き抜ける風の音が聞こえているかのようだった。
 
 
 
 
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 雲洲粋縁
 
 
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亀田山社中
 
 
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