皆様、武録御笑覧下さり、段々辱なうござりまする。
人と違うことに意義を感ずるというのが、特に、ヨーロッパ、イギリスのものの考え方ですね。そういうところが、文化の背景とつながってくるわけです。これは、いい悪いではなくて、その人たちのあり様、生きざまなんですね。
東海大学工学部 企画・広報委員会 企画「技術大国日本の針路」 より
物の不足な時代だから悪質な町人はいやでも儲かる。そこで、どんなに儲けても、奢侈禁止令を用意しておいて、その生活面から彼等の横暴を押えて行こうと考えた。そうした点はむしろ、今日の社会主義などより遥かに周到な用意を持っている。
こう書いて来れば、公のめざした政治の実態が、かなりハッキリして来るであろう。
公はゼロに等しい戦国の貧しさから抜けだすために、何よりも先ず義務負担の公平、犠牲の公平を政治の主眼にしていたのだ。特に怠惰のまま贅沢出来るような不労階級の出現を許さず―つまり、正直者がバカを見ることのない国づくりでなければ、平和は続かないという大信念で、自分もまた麦めしを食べ続けていたわけである。